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中島祥貴税理士事務所

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年末調整とはなに?でなぜ行うのか?【年末調整】

2020-10-28

1、年末調整を行う理由

給与の支払者は、毎月(日)の給与支払の際に所定の源泉徴収税額表によって所得税の源泉徴収を行うことになっていますが、その源泉徴収をした税額の1年間の合計額は、給与の支払を受ける人の年間の給与総額について納めなければならない税額(年税額)と一致しないのが通常です。

このような不一致を精算するため、1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき税額を正しく計算し、それまでに徴収した税額との過不足を求め、その差額を徴収又は還付することが必要となります。この精算の手続きを年末調整と呼んでいます。

《一致しない主な理由》
① 源泉徴収税額表は年間を通じて毎月の給与の額に変動がないものとして作られているが、実際に年の中途で給与の額に変動がある。
② 賞与の源泉徴収税率は、1年間に賞与が普通給与の5ヶ月分支払われるものとして算出されている。
③ 年の中途で扶養親族等に異動があっても、その移動後の支払分から修正するだけで、さかのぼって各月の源泉税額を修正することとされていない。
④ 配偶者特別控除や生命保険料、地震保険料の控除などは、年末調整の際に控除することとされている。

1)年末調整の対象となる人
年末調整は、原則として給与の支払者に給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している人の全員について行いますが、例外的に年末調整の対象とならない人もいます。

2)年末調整の対象とならない主な人
① 本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人
② 2ヶ所以上から給与の支払を受けている人で、他の給与の支払者に扶養控除等(異動)申告書を提出している人や、年末調整を行うときまでに扶養控除等(異動)申告書を提出していない人(月額表または日額表の乙欄適用者)
③ 継続して同一の雇用者に雇用されていないいわゆる日雇い労働者など(日額表の丙欄適用者)

2、年末調整の事務手順

年末調整は、①従業員等から申告書を入手、②給与総額・徴収済税額の集計、③給与所得控除後の給与等の金額の計算、④課税給与所得金額の計算、⑤年税額の計算、⑥過不足額の精算、⑦源泉徴収票の発行、の手順で事務を行うことになります。

3、各種申告書

年末調整を行うには、まず従業員等から各種申告書を提出してもらいます。なお、これらの申告書は税務署等に提出するわけではなく、年末調整を行った会社で保存することになっています。

1)扶養控除等(異動)申告書
所得者の生計を一にする配偶者または親族で合計所得金額が48万円以下の人は、控除対象配偶者または控除対象扶養親族(年少扶養親族を除く。)となります。他にも障害者や同居老親などの扶養控除等が定められています。扶養控除等(異動)申告書はこれら扶養控除等を申告するための書類です。扶養控除等(異動)申告書の提出により、その所得者本人の所得金額の合計額から各種扶養控除等の種類に応じた金額を控除できることになります。

控除対象配偶者や控除対象扶養親族、障害者などに該当するかどうかは、年末調整を行う日の現況により判定しますが、その判定の要素となる①合計所得金額は年末調整を行う日の現況により見積もったその年の金額により②年齢は本年12月31日(その日までに死亡した人については、その死亡の日)の現況により判定します。

また、年末調整を行った後、その年の12月31日までに扶養親族の増加などの異動があった場合には、年末調整のやり直しをすることができます。(再年調)

2)給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
基礎控除とは 基礎控除とは、所得者の合計所得金額が2,500万円以下である場合に、その所得者本人の所得金額 の合計額から48万円を限度として、所得者の合計所得金額に応じた金額を控除するというものです。

配偶者控除とは  配偶者控除とは、所得者(合計所得金額が1,000万円以下の人に限ります。)が控除対象配偶者 を有する場合に、その所得者本人の所得金額の合計額から38万円(配偶者が老人控除対象配偶者 の場合は、48万円)を限度として、所得者の合計所得金額に応じた金額を控除するというものです。 なお、配偶者の合計所得金額が48万円を超えるときは、配偶者控除の適用は受けられません。

配偶者特別控除とは  配偶者特別控除とは、所得者(合計所得金額が1,000万円以下の人に限ります。)が生計を一にする配偶者(合計所得金額が133万円以下の人に限ります。)で控除対象配偶者に該当しない人を 有する場合に、その所得者本人の所得金額の合計額から38万円を限度として、所得者の合計所得 金額と配偶者の合計所得金額に応じた金額を控除するというものです。 なお、配偶者の合計所得金額が48万円以下であるとき又は133万円を超えるときは、配偶者特別控除の適用は受けられません。

所得金額調整控除とは  所得金額調整控除とは、所得者(その年中の給与の収入金額が850万円を超える人に限ります。) が、特別障害者に該当する場合又は年齢23歳未満の扶養親族、特別障害者である同一生計配偶者 若しくは特別障害者である扶養親族を有する場合に、その所得者本人の給与所得の金額から15万 円を限度として、給与の収入金額(その給与の収入金額が1,000万円を超える場合には、1,000万円) から850万円を控除した金額の100分の10に相当する金額を給与所得の金額から控除するというも のです。

①「基礎控除申告書」と「配偶者控除等申告書」については、次の場合に応じて記載してください。
1 あなたの本年中の合計所得金額の見積額が1,000万円以下で、かつ、配偶者の本年中の合計 所得金額の見積額が133万円以下である場合は、「基礎控除申告書」、「配偶者控除等申告書」 の順に記載してください。
2 上記1以外で、かつ、あなたの本年中の合計所得金額の見積額が2,500万円以下である場合 は、「基礎控除申告書」のみ記載してください(「配偶者控除等申告書」を記載する必要はあり ません。)。

②「所得金額調整控除申告書」については、年末調整において所得金額調整控除の適用を受けようとする場合に記載してください。なお、あなたの本年中の年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円以下である場合又は「所得金額調整控除申告書」の「要件」欄の各項目のいずれにも該当しない場合には、所得金額調整控除の適用を受けることはできません。

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