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中島祥貴税理士事務所

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滞納者の詐害の意思の有無によって第二次納税義務は成立しないのか!?【税務調査】

2019-07-30
納税者は、

昭和56年1月20日、

納税者D(納税者の夫。以下「滞納者」という。)
と婚姻した。


婚姻関係は、
本件告知処分時(平成26年1月10日)においても
継続していた。


滞納者は、
平成4年8月○日、

同人の母Eを被相続人とする相続により、

本件土地と
本件土地上の建物を
取得し、

平成5年2月17日、
その旨の
各所有権移転の登記がされた。


なお、
本件土地と当該建物は、

遅くとも
当該相続開始時から現在まで

納税者と本件滞納者の
居住の用に供されている。


本件滞納者は、

平成16年3月24日、

納税者に対し、
本件土地の持分10分の8を贈与し
(以下、当該贈与を「本件譲渡」という。)、

同月25日、
その旨の
所有権一部移転の登記がされた。


税務署は、

平成17年6月21日までに、

F税務署長から、
国税通則法第43条《国税の徴収の所轄庁》第3項の規定に基づき、

本件滞納者が納付すべき滞納国税
(以下「本件滞納国税」という。)
について、

徴収の引継ぎを受けた。


税務署は、

本件譲渡が
徴収法第39条の無償譲渡等の処分に
該当するとして、

同法第32条《第二次納税義務の通則》第1項の規定に基づき、

平成26年1月10日付で、

納税者に対して
本件告知処分をした。


そして、
本件告知処分に係る納付通知書は、

平成26年1月11日、
納税者に送達された。


納税者は、

平成26年2月7日、

本件告知処分に
不服があるとして
異議申立てをしたところ、

異議審理庁は、
同年3月26日付で、

棄却の異議決定をした。


納税者は、

平成26年4月10日、

異議決定を経た後の
本件告知処分に
不服があるとして

審査請求をした
ことに対して

争った

事案である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

本件譲渡は、

離婚をすることを
考えていた
納税者が、

離婚後の生活の糧を
確保するために

配偶者である
滞納者から
譲り受けたというものであり、

滞納者の滞納国税による
差押えを免れるためにされたものではなく、

納税者と滞納者に
本件滞納国税の債権者である国を
害する意思(詐害意思)はなかったことから、

本件譲渡は
徴収法第39条に規定する
無償譲渡等の処分には
該当しない。


したがって、
納税者は
同条の第二次納税義務を負うことはなく、

本件告知処分は
違法であり、
取り消されるべきである。


第二次納税義務の制度趣旨は、

詐害行為取消訴訟によって

滞納国税の徴収を図るのみでは
迅速な滞納国税の徴収確保が
図れないことから、

無償譲渡等の処分を受けた者に
直接第二次納税義務を課すことによって、

国税の徴収を確保することにある。


それにもかかわらず、
本件譲渡がされてから
約10年という
長期間が経過して
本件告知処分を行うことは、

上記制度趣旨に反し、
徴収権の濫用として違法であり、

仮に違法でなくても
不当となる。


したがって、
本件告知処分は
取り消されるべきである

と主張した。



【税務署】、

徴収法第39条の適用に当たり、

滞納者による
無償譲渡等の処分が

「差押えを免れるためになされたこと」は
要件とされていないことから、

納税者の主張には
理由がない。


国税徴収法基本通達第32条関係2《告知》は、

第二次納税義務の告知ができる期間について、

「第二次納税義務は、
 主たる納税義務が発生し存続する限り、

 必要に応じて
 いつでも課せられる
 可能性を有するものであって、

 法第32条第1項の規定による告知は、
 その義務の発生を知らしめる徴収のための処分に
 ほかならないため、

 独立した期間制限は
 設けられていない
 (平成6.12.6最高判参照)。


 したがって、
 主たる納税者の国税が
 滞納になっている間は
 この告知をすることができる。」

と定めている。


したがって、
納税者の主張には
理由がない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

納税者は、

税務署が
納税者に対して行った
第二次納税義務の納付告知処分について、

国税徴収法第39条
《無償または著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》
の第二次納税義務を課すには
詐害の意思が
必要であるところ、

滞納者が
納税者に対して行った
土地の持分の贈与(本件譲渡)には
詐害の意思はないから、

本件譲渡は
無償譲渡等の処分に
該当しない旨を
主張する。


しかしながら、
同条の規定によれば、

滞納者に詐害の意思のあることは

同条所定の第二次納税義務の成立要件ではないと解されるから、

本件譲渡に詐害の意思がないことを理由に、

本件告知処分が
違法であるということはできない

として棄却した。


「最高裁平成21年12月10日第一小法廷判決」


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

納税を免れるために
配偶者や子どもたちに
財産を移転する。


こういったことは
容易に考えることができます。


そのようなことを
防ぐために
第二次納税義務といって

その財産を移転された人に
納税の義務を
発生させるという
法律があります。


しかし、
今回、納税者は
財産の移転は

滞納者の滞納国税による
差押えを免れるためにされたものではなく、

納税者と滞納者に
滞納国税の債権者である国を
害する意思(詐害意思)はなかったから、

第二次納税義務は発生しないと
主張しました。


しかし、
詐害の意思があるかないかは
関係なく

財産を移転された
納税者には
第二次納税義務は成立し

納税する義務があると
なりました。


離婚していたら
結果は変わったかもしれませんが、

結婚している状態で
第二次納税義務は発生しないというのは
無理がありますね。


でも、
この裁判、
最高裁までいっているんですよね。


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