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中島祥貴税理士事務所
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X会社は、 主として運送業を営む、 代表者取締役甲によって設立された会社であり、 B会社は、 主として道路の切削、舗装工事といった土木工事を行う、 甲が設立した会社であり、 平成15年11月30日に 同人の子乙が 代表取締役に就任した。 自動車整備士の資格を有する乙は、 平成6年ころより X会社が 運送業に使用する 車両の修理を行っていた。 X会社は、 平成15年4月1日から 平成16年3月31日までの 事業年度において、 乙に 本件各車両の修理を行わせ、 同人に対して 支払った金員の合計776万円を 傭車費勘定に計上した。 平成16年3月、 X会社は、 傭車費勘定から、 乙に支払った上記金額とほぼ同額の 770万7620円を B会社に対する貸付金として、 平成16年3月期の 貸付金勘定に 振替計上した。 また、X会社は、 上記の経理処理を行った直後、 修繕費勘定に、 本件各車両の修理に係る費用 合計3732万2460円を B会社に対する 修理代金として 計上した。 X会社は、 平成16年3月期の法人税について、 本件修理代金を 損金の額に算入して 確定申告をした。 Y税務署の調査官は、 平成16年9月14日から数日間、 X会社とB会社に対する 税務調査を実施し、 その結果、 X会社は、 本件修理代金を B会社に対する 修繕費として 架空に損金の額に計上しているとの認識を得て、 同年9月21日、 甲に対し、 X会社の平成16年3月期の法人税修正申告書、 B会社の平成15年8月期の法人税修正申告書の 提出をしょうようした。 X会社は、 同年10月19日、 平成16年3月期の法人税について、 損金の額に算入していた 本件修理代金を 所得金額に加算するなどした 修正申告書を提出した。 Y税務署長は、 平成16年10月29日付けで、 平成16年3月期分の法人税についての 重加算税賦課決定処分をした。 Z県税事務所長は、 昭和29年5月13日付け 自乙府発第109号「地方税法の施行に関する取扱について(道府県税関係)」 第3章第4節第8の74に 「法第72条の47の規定によって重加算金を徴収する場合において、 課税標準の基礎となるべき事実について 仮装隠ぺいが行われたかどうかについては、 原則として法人税において 仮装隠ぺいの事実があるものとされたかどうかによって 判定すべきものである」 旨の記載があることに基づき、 Y税務署長が X会社の平成16年3月期の法人税について 仮装・隠ぺいの事実があると 判定していたことを確認の上、 X会社に対し、 平成17年1月5日付けで、 地方税法の規定に基づき、 法人県民税及び法人事業税に係る更正処分を行うと共に、 法人事業税に係る重加算金決定処分をした。 X会社は、 更正処分は認めるものの 重加算金決定の取消しを 求めて 訴えを提起した 事案である。 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 県税事務所が 自らは税務調査を行わずに 税務署の認定を援用して 重加算金決定を行うのは 適法なのでしょうか? いきなり、裁決を見るのではなく これはどういう判決になるか すこし考えてみてください。 税務というと 決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、 そもそも税法に則った判断処理のこと なのです。 その判断処理を間違えると 払う必要のないキャッシュが 会社から失われてしまう可能性があります。 この判断処理を 今まで間違っていた納税者の割合や なんと7割以上(国税庁のHPより) 判断処理 大丈夫ですか? 本来の裁判判決は 難解で読むづらいものになっていますので、 読みやすいように多少 書き換えています。 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 【裁判官の裁決】、 本件経理処理は 事実の仮装に該当すると認められるから、 X会社の法人事業税の課税標準である所得が 法人税の課税標準である所得によって算定される以上、 本件経理処理が 地方税法72条の47第1項所定の 「課税標準額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装」 した場合にも当たることは 明らかであり、 本件重加算金決定を 違法であるということはできない。 また、 地方税法72条の7は 道府県の徴税吏員の質問検査権について定めるが、 徴税吏員に 税務調査等の検査義務を定めた規定は見当たらず、 いかなる資料に基づいて 重加算金賦課決定等の課税処分を行うかは 道府県の合理的な裁量に 委ねられているものと 解される。 以上によれば、 Z県税事務所長が、 独自の税務調査を行うことなく Y税務署長の認定を援用して 本件重加算金決定を行ったことを 不合理であるとはいうことはできず、 X会社の主張には理由がない とした。 「東京高等裁判所 平成22年1月27日裁決」 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 法人事業税の課税標準である「所得」の算定については、 地方税法72条の14第1項において、 「法人税の課税標準である所得の計算の例によって算定」 すると規定されていますが、 法人事業税の過少申告加算金の 重加算金の徴収については、 課税標準である所得の計算についてのような、 特段の定めが置かれていないことから、 本件重加算金決定の適否が 争点となったものです。 そして、今回は 県税事務所長が、 独自に税務調査を行うことなく、 法人税で 事実を仮装したたとして 法人税の申告書を提出したこと を援用して 法人事業税に係る 重加算金決定を行ったことについて 争ったのですが、 それを適法と判断したことは、 地方税における課税上の取扱なにおいて、 実務上の参考となります。 実は 地方税の税法は あまり細かいことが 規定されていません。 ですから、 地方税の取扱いを どうするかは 実務上、 現場、現場によって 異なっていたりします。 これは いろんな役所で 申告や手続きをする時に 非常に煩雑で、 こっちの役所が これで処理するようにと言っていたからと いって ほかの役所も 同じ処理をすると 電話が掛かってきて 「うちの方では こういう処理をしないと 通せません」 と言われたりします。 ただし、税法の解釈は 大体、法人税法に準拠するという 考え方が 多いですね。 ご相談、ご不安なことが ありましたら、 お気軽に 中島税理士・行政書士事務所まで お問い合わせください。 セカンドオピニオンとしても 税務調査対策としても ご提案を致しております。
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