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現金の使途を説明できない=役員賞与なのか!?【税務調査】

2021-08-31
税務調査において、
損金計上した役員の個人的な支出=役員賞与、
と認定された(一般的にいう認定賞与)場合、

その支出の損金不算入(=役員賞与)、
源泉所得税の賦課、
不納付加算税もしくは
重加算税が課されます。


多い例としては、
事業に関連のない者との接待交際費や、
自己の用に供する資産(車や服飾品)の購入費用でしょう。


役員が法人から
経済的利益を享受したのであれば、

認定賞与と指摘されることは
仕方がないと思います。


しかし
税務調査の現場では、

会社の口座から役員が出金し、
その資金使途を説明できないだけで、

「では認定賞与ですね」
と指摘されることが
往々にしてあります。


使途不明金が
役員の認定賞与と認定するには、

国税側が
認定するための基準を
明確にしなければおかしいのですが、

この辺りは、
いつも実務で
うやむやにされるところです。


ここで大事なポイントは、

役員が出金を自由に行える立場であって、
その出金のうち使途が明らかでないものである場合は、

「役員が出金したお金を取得し、
 あるいはその経済的利益を享受したことが
 積極的に立証されるかどうか」

がポイントです。


つまり、
このようなケースでは、

①確かに役員が現金を受け取った(=経済的利益の享受)事実を明らかにする証拠が必要

または、

②役員の預金が増えている、またはそのお金を使ってしまった(=消費支出)の事実を明らかにする証拠が必要

であり、
これらの証拠を提示するのは
当然のことながら、

税務署の仕事だということです(立証責任=課税庁側にある)。


調査官が何でも認定賞与にしたがる理由は、

・損金不算入にできるから(永久差異)
・源泉を課すことができるから(二重課税)
・重加算税を課すことができるケースが多い
 (個人支出を法人支出に仮装したと認定)

の3つが考えられますが、

根拠もなく
ただ納税者側が説明・立証できないだけで
認定賞与だと
指摘するケースが後を絶ちません。


調査官が認定賞与だと指摘してきた場合は、
何の根拠・証拠があるのかを
きちんと問いただす必要があるのです。


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