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令和4年度税制改正大綱が12月10日最終決定・公表!?【税務調査】

2022-04-21
令和4年度税制改正大綱が
10日最終決定・公表されましたので、

皆さまに影響を及ぼしそうな内容と概要を
緊急でお知らせします。


今回の改正案の全体像は次のとおりです。


■ 住宅税制(個人所得税・資産税)
・住宅ローン控除の見直し
 ・控除率:一律1%⇒0.7%
 ・控除期間:原則10年⇒13年。一部10年
 ・控除上限:住宅性能(認定,ZEH,省エネ,その他)で4段階
 ・所得要件:所得2,000万円以下に引下げ
・住宅ローン控除の手続きの見直し
 住宅ローンの年末残高証明書の納税者による提出を不要に
 ※銀行が税務署に情報提供し、税務署から納税者に年末残高が
  記載された書類を交付することで計算が簡易に
・住宅取得等資金贈与非課税制度
 非課税限度額を1,000万円(一般住宅は500万円)に引下げ2年延長
・居住用財産の譲渡特例の2年延長
・住宅の登録免許税・固定資産税等の優遇税制を2年延長


■ 固定資産税の負担調整措置の見直し(資産税)
・令和4年度に限り商業地等の課税標準額の増加率を緩和して
 急激に税負担が増えないよう配慮


■ 法人版事業承継税制(資産税)
・特例承認計画の確認申請の期限を令和6年3月31日まで1年延長


■ 賃上げ税制(法人税)
・中小企業向け(所得拡大促進税制の見直し)
 ・積極的な賃上げと教育訓練で最大控除率40%に(アメの部分)
・大企業向け
 ・積極的な賃上げと教育訓練で最大控除率30%に(アメの部分)
 ・研究開発税制等の不適用措置の賃上げ要件を強化(ムチの部分)


■ 交際費課税(法人税)
・中小企業の定額控除限度額特例(年800万円)を2年延長
・接待飲食費の50%損金算入特例を2年延長


■ 減価償却制度(法人税)
・30万円未満の少額減価償却資産の損金算入特例を2年延長
・足場・ドローンのレンタル節税規制(本業以外の貸付けを対象外に)


■ オープンイノベーション促進税制(法人税)
・対象を拡充して2年延長


■ 納税環境整備
・完全子法人株式等配当の源泉徴収の不適用
 会計検査院の指摘をもとに不適用に
・上場株式等の配当所得等の課税方式の一体化
 所得税と個人住民税の課税方式を一致
・財産債務調書制度の見直し
 総資産10億円以上を追加(所得基準なし)
・消費税のインボイス制度の登録手続の緩和
 免税事業者が令和5年10月インボイス制度開始後6年間
 に課税期間の「途中」でも登録できるよう緩和
・電子取引データ保存の2年間宥恕
 令和4年1月から始まる電子取引のデータ保存の強制化
 について2年間の宥恕規定を設ける。
・記帳水準向上への対応策
 ・記帳不保存・記帳不備への対応⇒加算税の加重措置
 ・特に悪質な納税者への対応⇒証拠書類のない簿外経費を損金不算入
・税理士制度の見直し
 ・日本税理士会連合会の「税理士法に関する改正要望書」を受けて
  税理士業務の電子化推進、事務所の該当性の判定基準の見直し、
  税理士試験の受験資格の緩和、懲戒処分の時効期間の創設など
 ・あわせて懲戒逃れを図る税理士等への対応策を追加


■ 資産移転時期の選択に中立的な税制の構築
最近話題になっている「相続税と贈与税の一体的な見直し」は、
今回特に改正は行われていませんが、
「本格的な検討を進める」と記載されています。

■ 完全子法人株式等配当の源泉徴収の不適用
「一部の関連法人株式等」も対象となります。
具体的には「配当基準日に直接単独で1/3超保有する株式等」です。

来年4月から関連法人株式等は100%グループ内で判定するため、
直接単独で数%しか持っていない場合でも、
グループ内で1/3超保有して関連法人株式等に該当するケースもあり、
「配当支払側」が持つ情報だけで確実に判定できるものだけ対象にしたと考えられます。

■ 中小企業における所得拡大促進税制
「税額控除率の上乗せ」の要件が見直され、
①前期比2.5%以上増の賃上げ
②前期比10%以上増の教育訓練
の2つだけになっています。

従来あった「経営力向上の証明(経営力向上計画)」は廃止された模様です。


■ 30万円未満の少額減価償却資産の損金算入特例
「主要な事業以外の貸付け用資産」が対象外になり、
こちらも足場・ドローンレンタル節税の規制対象となります。


■ 検討事項(令和5年度税制改正へ)
・高所得者層への金融所得課税強化
・金融所得課税一体化(デリバティブ取引)
・相続税・贈与税(資産移転時期の選択に中立的な税制の構築)
・記帳水準の向上(複式簿記、優良な電子帳簿などの普及・一般化)


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